東京農工大学工学部技術部出張報告

電気電子・情報系技術班 和田 俊彦
環境建設系技術班    河野 幸一

出張期間:平成16年2月5日〜6日
出 張 先:東京農工大学工学部(小金井キャンパス)

1.はじめに

他大学技術部の現状および活動状況について相互の情報交換を行うことを目的として,東京農工大学工学部技術部との技術交流および間近に迫った国立大学法人化への取り組みについて情報交換を行った.

2.東京農工大学の概要

 東京農工大学は,昭和24年東京農林専門学校と東京繊維専門学校を包括し,国立学校設置法に基づき設置された.当大学は,府中キャンパスおよび小金井キャンパスに分かれており,府中キャンパスには事務局および農学部があり,私たちは小金井キャンパスにある工学部を訪問した.
 小金井キャンパスの敷地面積は157,000uであり,本学の城北地区(事務局,理学部を含む)の敷地面積とほぼ等しい広さである.学部学生数は,小金井キャンパスの工学部は8学科約2,800名,本学の工学部では6学科約2,300名であり,その規模の大きさが伺える.

3.報告事項

 武川征弘第1技術区技術長(技術専門官)との情報交換および技術交流について報告する. 東京農工大学技術部は,文部省訓令33号('97.11)による教室系技術職員の組織化であり,それに伴う職務の効率化が図られている.当該工学部技術部は「東京農工大学工学部技術職員組織化図」によると,技術部長(工学部長)のもとに,第1技術区と第2技術区からなり,この2つの技術区に技術長(技術専門官)が置かれている(第2技術区技術長は空席).第1技術区に計測・制御系技術班,材料系技術班,また,第2技術区には機器開発系技術班,情報処理系技術班が設けられており,これらの班は技術班長(技術専門職員),技術主任(技術専門職員)および技術職員で組織され計34名で構成されている.         
当技術部では,技術長の指導のもと,「工学部(小金井地区)技術職員研修」が行われており,平成14年度の研修では,機械工作とガラス細工の技術講習ならびに技術発表および討論が全技術職員を対象として実施されていた.この研修は,工学部技術職員に対し,職務に関する知識・技術講習を行うとともに,技術的創意工夫・開発した技術について技術発表あるいは,意見交換することにより技術職員の資質向上を図ることを目的としている.また,日常の教育・研究現場の技術業務遂行において様々な技術や知識を習得していくことが求められており,ガラス細工の基礎と機械工作について技術,知識を習得することを目的として技術職員により技術発表が実施されていた.
 東京農工大学法人化検討委員会では,現在の技術職員が担っている多様な業務内容を整理し,専門的な能力を活かして,教育研究支援等の業務内容に応じた積極的な参画を検討する必要があると述べられ法人化に向けて取り組んでいる.また,法人化に関する説明会が16年2月中旬に開催される予定とのことである.


写真−1 武川第1技術区技術長と研究室にて

4.施設見学

 昭和15年小金井に移転した東京高等蚕糸学校の校舎が,現在の繊維博物館である.主な所蔵品は,養蚕,製糸の素材と機織の道具類,紡績機や繰糸機等の大型繊維機械類およびその他繊維に関する資料である.特色あるコレクションとして,養蚕をテーマとする江戸から明治時代にかけての錦絵,世界と日本の各種ミシン等の学術的価値のある資料および繊維関係の資料が多数所蔵されている.また,この博物館では地域に対する開かれた大学として,展示してある機械類を使用して手織り,手紡ぎ,藍染めなどの市民参加のサークル活動を20年以上続けられている.機械実習工場は,工場長1名,非常勤職員2名で構成され,非常勤職員においては隔日勤務により常時2名で運営されており,工作機械の管理業務と利用者の指導助言を行っている.機械工場に設置されている工作機械は,普通旋盤7台,NC旋盤1台,NC放電加工機2台など12種類合計33台である.

写真−2 繊維博物館にて 写真−3 機械実習工場にて

5.おわりに

 修論発表等でお忙しい中,武川第1技術区技術長との情報交換および技術交流を行うことが
でき厚く感謝します.また,本出張にご配慮いただきました工学部事務長,技術部技術長なら
びに関係各位に感謝します.

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