東京工業大学出張報告

機械系技術班     阿部 文明
実習工場技術班   政岡 孝  
 自然科学系技術班  平田 智照

出張期間:平成16年2月12日〜13日
出 張 先:東京工業大学


1.はじめに

 「技術部の現状と安全衛生管理に対する取り組み」についての情報を得るために,東京工業大学を訪問した.また,当日は東北大学からの来訪もあり,三者による情報交換も行ったので,それについても報告する.

2.交流会の概要と東京工業大学における安全管理について

 交流会は東京工業大学から三島技術部長をはじめ,機械系,原子炉,材料工学,資源化学,経営工学,人事課の10名の方々と,東北大学4名,本学3名で行われた. 最初に,三島先生から技術部の現状説明も兼ねた御挨拶をいただき,その中で技術部組織の改革において,平成18年度までに技術職員を学部単位で一元化すること,平成21年度までに全学で一元化する方向にあるとのお話があった.
次いで,工学部・安全管理室の大谷氏が「東京工業大学工学系の安全管理」と題して,

1)毒劇物管理における実験室の状況について
2)毒物及び劇物取締法,消防法,保管上の制約
3)管理責任について
4)毒物・劇物専用保管庫の有効な設置と,データベース化による薬品の一元化管理
5)大学の安全管理の状況と安全管理室の役割
6)実験室の安全診断や安全点検パトロールの実施

など,学内での安全に対する具体的で熱意あふれる説明があった.特に,大学が安全環境=大学の評価と捉え,教職員・学生の意識改革や外部機関(労働安全コンサルタントや東京大学)による安全診断を行い,その向上に積極的に取り組んでいる様子が印象的であった.
 また,機械系・吉井氏からは,技術職員が少ない中での実習や工作機械の使用に対する学生への対応についての説明があり,これらについて出席者間で活発な質疑応答が行われた.なお,今回の訪問で,「安全手帳(第4版),東京工業大学安全管理実施委員会」を頂いた.技術部室蔵書としたので,ぜひ手にとって見ていただきたい.

3.施設見学

 岩田,吉井両氏の案内で,機械系技術室工場の見学を行った.工作機械類は,教職員及び学生が使用できるが,学生の使用時は技術職員が常に付き添い,機械操作や切削加工を支援しているとの説明があった.安全への取り組みでは,作業服,作業帽,保護眼鏡など保護具の着用を義務付け,工作機械のハンドルや工具類は保管庫に管理するなど,施設管理者の目の届く環境で機械が使用されていることを痛感した.また,工場内は現在,工作機械の配置変えを行っており,再訪問のお誘いをいただいた.

4.おわりに

東京工業大学技術部および東北大学流体科学研究所の方々との交流会を通じ,安全管理についての多くの参考になる事例を得ることができた.法人化を間近に控えた年度末の慌しい出張であったが,多くの方々と知り合う機会を得る事ができたのは,大変良かったと思う.当日は,朝のラッシュも経験し,西窪技術専門官に正門で迎えていただいた.温かい如月のキャンパスは,よく手入れが行き届き,立派な桜並木に感銘した.最後にこのような出張の機会を設けていただき,心より感謝申し上げます.

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