第32回四国地区中堅係員研修報告

電気電子・情報系技術班 横田 篤

主  催:人事院四国事務局
研修期間:平成16年7月5日(月)〜7月9日(金)
研修場所:高松第二地方合同庁舎2階 第1会議室

1.目 的

 四国管内各機関の中堅係員に対し,その職務の遂行に必要な基礎的な知識,態度及び広範な行政的視野並びに社会的識見を修得させ,地方機関における行政運営の中核となるべき公務員を育成し,併せて国民全体の奉仕者である政府職員としての一体感を培うことを目的とする(研修実施要領より引用).

2.研修内容

【自己紹介】研修員全員
 各研修員が2分以内で自己紹介をおこなった.簡単な職務内容と趣味や特技などを紹介した.
【中堅係員に期待する】人事院四国事務局 総務課長 白川 和男中堅係員の立場において上司の補佐や後輩との関係についてどのような人物になるべきか.
また,職業人に望む心構えを聞くことで自分に必要なことはなにかを考えさせられる有意義な講義であった.
【服務・公務員倫理〜行政の中立性・公正性の確保〜】人事院四国事務局 総務課専門官 喜多 猛
 公務の特性と留意点を聞き,いくつかの事例について公務員のモラル,平素からの心構えの大切さを認識することをねらいとして自己診断を行った.さらに,公務員の服務についてグループ討議を含め,服務規律やその他法規について説明があり,加えて,国民からの疑惑がもたれるかどうかを念頭に考えて判断することなどのご助言をいただいた.
【ディベート入門〜話術のセンスを磨く〜】池田経営コンサルタント事務所 池田 清一郎
 ディベートとは,定められたルールに従い,対抗する2チームの間で特定の論題について検証に基づく議論を通じ,論理的判断をくだすことである.つまり,単なる討論とは異なり,ルールがあるという点が重要である.ディベートは,論理的に思考し論理的に表現する能力の開発を目的とし,情報の収集と分析能力・問題解決能力・危機管理能力などの育成に効果がある.
また,日本人の苦手な論理的に表現する能力にも効果があり,プレゼンテーション能力の向上にもつながっている.
今回初めてディベートを体験してみて,普段からあらゆることに興味を向け情報を収集しておく姿勢や,論理的に自分の意見を表現する力・短時間で問題を解決する冷静さなど難しい事ばかりで大変だったが,他の研修生の優れたディベート能力の高さを知り,今後自分にとって高めていかなければならないと強く感じさせられた.
【障害者の立場になって考える】(財)かがわ健康福祉機構 普及相談部長 前田 香代子
 はじめに,健やかに生きて健やかに老いるために機能的,外見的,構造的,精神・心理的な老いのしくみと福祉用具について説明がなされた.その後,車椅子にて介護実習を行い車椅子の操作と介護時においての注意点を教わった.この老人介護の必要性の講義や実習体験により,福祉には実際に障害者の立場になって取り組むことが大切であると感じた.
【矯正行政の現状と課題 施設訪問】高松刑務所
 高松刑務所に行き,刑務所の施設・組織の規模,そして受刑者の処遇概要などの説明を受け,刑務所内に入り刑務作業などを見学した.その後,矯正施設の現状と課題について質疑応答を行った.
【次世代リーダーとして必要な要素を把握する】(株)ウィル・シード 風間 穣・中野 美和
 はじめてこのビジネス・シミュレーションゲームを体験したが,良くできたゲームでとても楽しい時間を過ごさせてもらった.その後ゲームを振り返り,成果(良かった点,工夫点)と課題(反省点)や課題解決策についてディスカッションを行った.このゲームで変化の激しい時代において仕事をする上で不可欠となる思考,行動,スキルを体感・再認識して次世代リーダーとして求められる要素を探り,仕事の基本サイクルであるPlan-Do-Check-Actの大切さを痛感した.
【セクシャルハラスメントの予防と対策】高松市女性センター 相談員 丸尾 知栄子
 この講義では,セクシャルハラスメントの定義「就業関係を悪化させるような性的言動がなされたり繰り返されたりすること」を考え,被害者と加害者そして周囲の人々の心理により,セクハラの存在を否認する傾向にあることや,セクハラの予防と対策として,職場での理解・迅速な対応など詳しい説明があった.
【討議式研修〜次代のリーダーになるために〜】研修員全員
 班別になり,各自の担当業務等の紹介とともに検討課題「各職場の現状と課題」ついて,事前に作成した概要メモを参考にしながら他の班員に紹介し,他の班員に感想を求め質疑応答と意見交換(一人10分:内容紹介5分,質疑応答・意見交換5分)を行った.次に課題「中堅係員の役割」として,中堅係員に求められる役割は何か,また組織から期待されているものは何かについて検討し,中堅係員として各自がこれからどのような心構えをもって具体的に何をすべきかについて班別討議を行い,班員の総意に基づいた各班の討議結果をポスターに仕上げ,各班の代表者がそれを発表し全体討議を行った. 

3.研修に参加して

 今回の研修は,今まで受けてきた技術・技能研修のような専門性のある内容では無かったが,自己の能力を高めていく上で是非体験しておきたい研修の一つであった.さらに,中堅職員としての自覚や意識が薄れていたことを再認識し,改めて立場や心構えを見つめ直すことができた.また,年齢も近い他機関の研修員との交流をもったことと様々な意見交換を行うことができたこともあり,非常に内容の濃いとても有意義な研修であった.このような研修は仕事に対する意識を高め,さらなる能力アップにつながるもので私としては何度でも参加したいものである.最後に研修に際してご助力いただいた方々と温かく接して頂いた研修員全員に感謝いたします.

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